デマンドをコントロールして電気代を削減
地道な省電力対策だけが唯一の削減手段
電気代の暴騰にお困りの方も多いかと思います。新電力に切り替えたのに、原油高騰の影響でサービスが打ち切られてしまったという方もいらっしゃるでしょう。
高騰前なら基本料金が1,000円/1kWを切る安価な新電力会社もあったようですが、2024年3月現在の中部電力ミライズの基本料金は約1,700~2,000円/1kW台であり、新電力と比較してなんと2倍近くになっています。中部電力単体で見ても2023年4月から4%程度も値上がりしている状況です。
新電力への切り替えが電気代削減として有効でなくなった今、地道な省電力対策だけが唯一の削減手段と言えるでしょう。
そこで今回のメルマガでは高騰した電気代を「デマンドコントロールによって削減する」方法をご紹介いたします。
従来のデマンドコントローラーは無理を強いる
場当たり的な運用は長続きしない
デマンドを管理する装置として一般にデマンドコントローラーと呼ばれる装置があります。しかし従来のデマンドコントローラーはデマンド超過を知らせるのが目的の簡易な装置のためデータを記録したり分析する機能が無いものがほとんどでした。
デマンド削減対策も、警報が出たときにエアコンを止める、事務所の照明を消す、といった場当たり的な省エネ対策を求めるものが主流でした。
しかしこのような対策だと「機器は止められない」とか「設定が古いから警報の意味がない」「忙しくて手が回らない」など様々な要因によって実施されなくなり運用が中断されてしまうようです。耳が痛い方もいるかもしれません。
「人に我慢や無理を強いる運用」は継続しないのが実情です。
電気の使い方を見直してデマンドを削減
弊社では、従来のデマンドコントローラーの弱点を改善したクラウド型デマンドコントローラー「ワイヤレスIoTクラウドロガー」(以下、クラウドロガー)を開発、販売をしています。
クラウドロガーとは、デマンドを詳細に分析するための「データ蓄積」と「分析グラフ」の2つの主要な機能で構成されたデマンドコントローラーです。
電力受電メーターからリアルタイムで取得する正確なデマンド分析により、工場での電気の使用方法を詳細に分析、無駄な部分を特定して効果的なデマンド削減策を実施できます。
電力の使い方を見直してデマンド=契約電力を現実的に削減するアプローチなら、現場に我慢や無理を強いることなく電気代削減が可能です。
記録とグラフはクラウドで
グラフを見れば分析が出来る
クラウドロガーでは電気がいつ使われたかをリアルタイムで計測し、すべてクラウドへ記録します。(データ蓄積機能)
そして分析に必要なグラフはすべてクラウド上で自動生成されます。(グラフ表示機能)
たとえば、以下のようなグラフが自動生成されて簡単に電力使用の分析ができます。
(1) 発生頻度グラフ:曜日ごと
一定以上の大きさの電力消費の発生頻度を曜日ごとに集計したグラフ。
右のグラフでは、水曜日の電力消費が他の曜日と比べて多く大きいことがわかります。
水曜日に限って動く設備があるとか、水曜日に違う工程があるとか、そういうことが原因かもしれません。
要因を先に絞り込むことで効率よく原因を突き止めることができます。
(2) 発生頻度グラフ:時間ごと
上記(1)と同じく大きな電力を時間ごとに集計したグラフ。
右のグラフでは9~10時と、14~15時の間で各1回ずつ370kWを超える大きなデマンドが発生していることがわかります。
これだけ大きな電力消費となる設備は限られるでしょうから、時間まで絞り込めば原因となる設備の特定も容易です。
(3) ヒストグラム
デマンドを発生回数で集計したグラフ。
右のグラフでは、最大電力の上位5回がいずれも1回だけ発生していることがわかります。
これら5回を抑えることができれば、デマンドを375kWから351kWまで下げ、24kW(6%)を削減することができます。
データを曜日や時間、頻度で絞り込んでグラフにすると、原因となる設備や工程が想定しやすくなります。そこから原因をつきとめて対策方法にたどり着くことができます。
グラフ作成に人の手を使わない=ここでも無理を強いることはありません。
クラウドロガーのグラフは見るだけで簡単に分析できるようになっています。
様々なグラフで分析をサポートします
このほかにも様々なグラフがあり、電気の使われ方の分析をサポートします。
・30秒デマンドグラフ
・30分デマンドグラフ
・予測デマンドグラフ
・最大デマンド(上位5件)
年単位、週単位の比較もできる
年間と週間グラフでは、過去にさかのぼっての傾向も分析できます。
先月と今月の変化は?
昨年と今年をくらべると?
など、複数日時を比較して分析することができます。
無理をしない、現実的なデマンド削減
ルール化によって無理なく削減する
現実的なデマンド削減とは、我慢や無理をしなくてもいいように仕事のルールの中に削減方法を組み込むことです。
以下のプロセスで電力の無駄をみつけ、仕事のルールを見直し、自然と削減対策が出来るようにします。
・使用電力の大きな設備がいつ使われているか”見つける”
・電力消費が重なってデマンドが大きくならないよう手順を”見直す”
・現場の運用ルールに”落とし込む”
・繰り返し”実践する”
ルール化によって無理の無い恒久的な対策となり、デマンド削減を確実に実践することができるのです。
ルール化の後は結果の共有が必要
実践した削減ルールが正しいか?結果を分析し、対策に協力してもらった関係部署と正しく共有することも大切な実践内容です。
みんなで協力し結果が出れば、その後のモチベーションも上がりますからね。
しかし結果の振り返りで手間がかかっては本末転倒ですから、クラウドロガーを継続運用する為には次のような機能・性能も必要となります。
・手軽にいつでも見るための「スマホ・PCでリアルタイム閲覧機能」
・季節変動や生産量の増減を見るための「1年間以上のデータ蓄積機能」
・サーバーやパソコンに依存しない「データのクラウド保管」
・人の手が介在しない「自動グラフ生成機能」
・起動した設備が特定できるレベルの「受電電力の30秒刻み保存機能」
・超える前に気づく「デマンド予測機能」
クラウドロガーはこれら機能をすべて満たしています。
紙の資料を用意することなくモニターやPCでグラフを見ながら結果の振り返りや削減対策の検討をいつでも行うことができ、手間なし継続運用をサポートします。
設置から運用、保守まで完全サポート
導入も、無理を強いない
豊安工業は、クラウドロガーの設置提案から工事、保守までを一貫して行います。
お客様が準備、手配する部分を極力なくした「無理を強いないIoT導入」を心がけています。
導入にご興味のある方は、どうぞお気軽にお問合せください。
よくあるご質問
■クラウドロガー導入について
・クラウドロガーは買取です、サブスク等ではありません
・使用期間の”縛り”はありません
・設置工事は弊社が実施します
・クランプセンサーを電力会社メーター内に設置
・電力メーターからの計測なので、電力会社の請求データと完全一致します
・センサー設置等に必要な電力会社の申請は弊社がサポートします
・設置後、電源を入れればすぐに分析スタート状態で納品します
■設置場所について
・屋外設置可能です
・データ通信を使用するため携帯電波が安定して使える場所に設置が必要です
■契約・運用について
・クラウド使用料および保守費として1年単位の保守契約が必要です
・保守費用にデータ通信費を含みます
・保守内容に以下サービスを含んでおり、お客様が煩わしい設定作業を行う必要がありません
〇 デマンド目標の初期設定と運用後の調整は弊社で実施します
〇 デマンド削減のアドバイス、ご相談を実施します
・保守費用 6万円/年~(契約電力により変動します)
クラウドロガーのその他機能
デマンド以外も計測可能
クラウドロガーは今回ご紹介したデマンドコントローラー機能のほか、工場全体の水道やガスの使用量や設備単位のエネルギー消費を計測することができ、それぞれ削減分析が可能となります。
詳しくは以下のブログ記事にて実例をご案内しています。ぜひご覧ください。
こちらはブログの姉妹サイト「工場ペディア」内の事例紹介記事です。
70余年培った経験だから出来るIoTがある
現場で本当に使えるIoTとは
私たちは、工場の心臓部であるプラント設備の設計施工・メンテナンス業務を中心に地域とともに70余年を歩んできました。
そのノウハウを生かし「現場で本当に使えるIoT」を目的として提供しているのが「ワイヤレスIoTクラウドロガー」をはじめとしたIoTソリューション群なのです。
センサーだけ、クラウドだけ、ではない、本当に現場で使うためのご提案、導入工事、その後の改善サポートまでをワンストップで提供できることこそが、弊社のIoTソリューション最大の特徴です。
工場IoTでお困りですか?
弊社では用途や目的に応じたIoTソリューションをご提案させていただきます。
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